各部材の墨付け

継手の墨付け

継手寸法はあくまで手墨の付け方です。通常は、尺寸法の差し金を使用しますが、こちらでは㎝でも説明します。

1分=3㎜

4分=12㎜

5分=15㎜

8分=24㎜

1寸=30㎜

2寸=60㎜

3寸5分=105㎜

4寸=120㎜

5寸=152㎜

通常4mの材料を基準として材数を拾い出します。これを1本の線にするために継手を利用します。継手は、水平材に使用します。軒桁、母屋、土台。

アリ

1番多く利用する継手です。材幅を120㎜とした時は、芯から8分(24㎜)返りがアリ先の切り墨となる。105㎜幅の場合は、5分返り(15㎜)となる。(切り墨とは、切断する墨を言います。)

芯から24㎜、24㎜(アリ首の長さ)とって、残りが大入れ。大入れとは、切り欠く部分で、接合する材の幅で、深さは、だいたい4分(12㎜)になる。

105㎜幅の場合は、芯から15㎜返りが切り墨(アリ先)となります。*必ず芯墨から寸法を返していくのが基本です。また、アリ止めとは、アリの深さで、約半分から下を落とすなど、その都度、適度に決めます。

アリ掛け
タイコ梁のアリ掛け(側面図)

腰掛けカマ継ぎ(追っ掛けカマ継ぎ)

この継手は、部材を1本(1つの線)として継ぐ時に、1番適した継手で、最も利用します。土台、桁、母屋、など。

まず、メスは、芯から9寸9分(300)取って、60、60戻り、腰掛けの15㎜を出します。要するに300の位置が接合部(木口付き)にあたります。これに合わせて、オスを出します。(継手には、オス(男木)、メス(女木)が、ある)

材が大きい方が絶対に、支えるメスにするのが大原則です。必ず柱が下にないといけません。柱がたつ所から300(9寸9分)取って120戻る。オスは、300返って、120出すということ。下記の図ようになります。*300という数字は、構造上最も適した位置で全国共通です。*但し、化粧桁は、見映えが良いように、柱の芯に持ってくる場合もあります。

また、手刻みでは、土台と母屋だけは、カマをアリにする場合や、母屋や大引を、削ぎ継ぎにするなど、やり方は色々あります。基本的にカマ継ぎが、一般的です。

カマの止めも、150の半分くらいで落とす。深くなり過ぎても、よろしくありません。その都度、最適な深さにする。


カマ継ぎ配置図
カマ継ぎ図

手刻みでは、よりカマ継ぎが引き締まるように、加工を工夫したりもします。また、刻みは、オス木にも、木口付きと、引っ掛けの箇所の両サイド4箇所を、ホソ穴を掘る1寸角ノミ機を使うと、効率良い加工が出来る。

追っ掛け継ぎ

この追っ掛け継ぎは、非常に強度が高い継手です。ある程度、何処にでも継目を持って行くことが出来、強度も長けています。更に横からコミセン(大栓)を打ち込むと完璧です。追っ掛け大栓継ぎと言います。

しかし、同じ大きさの部材同士でしか作れず、継手の加工部分も長いため、材料の量も多少多くなります。合掌(トラス)の陸梁(水平梁)に利用されます。因みに、これを横から見て少し細工したのが、タイコ梁同士を繋ぐ、台持ち継手に似てます。

この追っ掛け継ぎは、一般住宅にはあまり使用されません。使用されるのは、アリ継ぎ、カマ継ぎが殆どです。

台持ち継ぎ

タイコ梁同士を繋ぐ、継手です。非常に難しく、アリ掛けとは違って、桁から内側にかけて、タイコ梁を、高く登らせ(斜め)なければいけません。加工にも非常に、手間が要します。継手の寸法は、実物のタイコ梁を見て、独自に決めます。必要に応じてボルトを締めます。

また台持ち継ぎ用のタイコ梁は、4mでは4.2mで、5mでは、5.2mで、3mでは.3.2mで拾い出さなければいけません。通常とは違い、継手も長く、登るため4mでは、不足しがち。

©️絵心ナッシング

タイコ梁のアリの大きさは、倍が適当。

ホソ

ホソ穴の幅は、原則30㎜です。差し金の幅が15㎜なので、縦の芯墨に対して差し金を当てて墨付けします。

この画像では、説明のために、墨を太く付けていますが、本当は、限りなく細くしなければなりません。

隅部分(桁)

隅木が存在する、寄棟や入母屋などに必要な墨付けです。一般的に隅木は、45°に配置します。

手順

①桁の上面に、45°で墨付けます。

②隅木縦寸法、垂木の大きさにより、隅木の、落ちかかり(欠く深さ)を出します。(隅木の内側の墨位置に印を付ける)桁の外側の隅木の内面。

印を付けた位置から、外側にかけ半勾配(5寸勾配の場合は、2寸5分勾配で、下ります。更に、そのまま、バックさせ、桁上面まで、墨を付ける。そして、桁上面に、左に45°を付けると、内側の切り欠ぐ深さが出ます。

隅木は45°が基本ですが、中には、入母屋で、振れ隅と言って左右の勾配を故意に、変えている建築物があります。(例:屋根全体は、5寸勾配、妻側を4寸勾配にて勾配をゆるくするなど)。屋切り(三角部分)を広く見せるためなど、非常に、入母屋屋根の見栄えが良い効果があります。この場合、45°でなくなるため、極めて難しいです。

隅木もなんでも、芯墨が基準です。隅木の芯墨は、本中、内側の墨は、入り中、外側の墨は、出中と言います。

隅木部材

隅木は、差し金の裏目を使います。14.14の印が、寸の差し金、㎝の差し金にも必ず印が、あります。これが隅勾配となります。(1尺=平勾配 1尺4寸=隅勾配)重要な隅木の先は、「こう・こ・げんの法」を用います。

投げ隅、垂木の先をカネ切り(直角)に切った場合、隅木もカネ切りすると、全く合いません。そのために、こう・こ・げんの欠きこうを出し、墨出しします。

また、垂木と隅木の接する箇所(配付け垂木と言います)の切断にも、「こう・こ・げんの法」は必要になります。また、屋根の軒先の角の形状は上から見たら45°(直角)に見えますが、実際は全く違います、勾配により規則的に変化します。それには、ちょうげんを用います。詳しくは、差し金の実力

差し金の便利

差し金を扱い、3等分、4等分を簡単に割り出すことが出来ます。わざわざ計算する必要もありません。それぞれ割れる数字(画像は140)に差し金をあてがい、そのまま割った数字(140÷4など)で付ければ均等割りが簡単に出来ます。

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